今年観た映画(DVD)

マーク・ロマネク監督(2010イギリス)


あらすじ
キャシー(キャリー・マリガン)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)は幼い頃から「ある施設」で育てられていた。2人はお互いに惹かれ始めていたが、もう1人の友人、ルース(キーラ・ナイトレイ)がトミーを寝取ってしまう。そんなただの恋愛映画かと思いきや、その施設は、健康な臓器提供者を育成することが目的であることに気付く。ある人物の精子卵子から体外受精?等で、人為的にこの世に生を受けてきた提供者たちは、自分で好きなことをすることも、好きな場所に生きることも、好きなように人生を謳歌することもできず、ただただ、提供のとき、そして終了がくる日を待つのみ。


大人になって、3人離ればなれになり、トミーもルースも提供を2度くらいしていた。ひょんなことから再会した3人。ルースは、キャシーとトミーの仲を知ったうえで、トミーを奪ったこと、2人が本当はお似合いだということを自白し、2人に延命ができる方法(施設の校長先生に2人の愛を証明すれば、臓器提供のときを遅らせることができ、長生きできる)を教えるが、それも実はただの噂に過ぎず、それぞれ「終了」のときを静かに迎えていく…。


臓器不足が叫ばれるなか、その為だけに人間を育成するというやり方は、合理的なようにもみえるけど、倫理的な問題から恐らく実現しえない解決策でしょう。そんな死ぬために生まれてきた3人の心情をうまーく、悲しく演出しているいい映画でした。どういう事情で、どういう親を持つか等の詳細を語らなかったのは、少し腑に落ちなかったけど、あえて見せないことで、怖さを演出しているのかな。というか、自分があの立場だったら、本当に立ち直れないね。子供とか作ったりもできないのかな。


正直、キーラ・ナイトレイの美しさが際立つ映画なのでは?と思ってみたけど、役柄のせいかキャリー・マリガンという女優さんの方が美人に見える映画でした。優しいお母さんになりそうな人でした。マーク・ロマネクって聞いたことある名前だなぁと思っていたら、うちにDVD(ミュージックビデオの)がありました。


評価
☆☆☆★